快晴なら超絶景。「チャレンジヒルクライム岩木山」は“勝つ”まで出てみる価値がある

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先日、青森県弘前市で開催された「チャレンジヒルクライム岩木山」に参加してきました。このイベントは、自転車は普段走れない津軽岩木スカイラインを走れるのが最大の魅力。つづら折れのみで構成ているとんでもない道で、空撮を見ただけで「一度はこれを駆け上がってゴールからの景色を見ておきたい」と思わせてくれます。

この記事では、そんなチャレンジヒルクライム岩木山と津軽岩木スカイラインのいいところと、実際参加してみて思ったことなどを記します。

目次

岩木山とは

岩木山(いわきさん)は、青森県弘前市にある火山。標高は1,625mで、青森県の最高鋒です。

りんご農園が広がる津軽平野の中に屹立する姿は極めて印象的で、津軽富士とも呼ばれます。

山麓には岩木山神社という非常に古く格式の高い神社があり、山頂が奥宮となっています。岩木山は、津軽開拓の神であり、農海産物の守護神であり、先祖の霊が住まうところ。地元の信仰の対象でもあります。

津軽岩木スカイラインをヒルクライム。見える景色はこんな感じ

歴史ある山な上に周囲には遮るものもない高峰。この時点でもう「上りたすぎる」という感じなんですが、山頂へと続く津軽岩木スカイラインは残念ながら自動車専用道路。普通には上れません。

そんな津軽岩木山スカイラインを自転車で走れる年に1回のチャンス、それが今回紹介するチャレンジヒルクライム岩木山というわけです。

スタート前から興奮できる

朝7時30分に岩木山麓の受付会場へ。梅雨の開催なのにこの日は奇跡の快晴、雲ひとつかかっていませんでした。

スタート直前の様子。印象として、エンジョイ勢は少なめで、クライマー系の方が多いかなという印象でした(みんな速そう)。

岩木山を眺めながら、新緑の中を行く

山麓を駆け抜け、津軽岩木スカイラインになだれ込んでいきます。

序盤にはこんな風に岩木山がまるっと顔を覗かせたりもしますが…

料金所を抜けたあたりからはずっと森の中という感じ。

ただ、緑がとても美しく、午前中なのもあって非常に清々しい雰囲気。本州のいちばん北にある青森、関東甲信の感覚だと6月でゴールデンウィークくらい、といった感じ。

コースプロファイルは「長くてキツめ」

ここでコースの全体像を紹介しておきましょう。今回出走したのは15km部門で、データを確認したところ走行距離は約14km・獲得票高は957mでした。全体での平均勾配は6.4%(ちなみに、より短い10km部門などもあります。景色目的の場合はそちらのがいいかもしれません)。

津軽岩木スカイラインのゲートに入るまでに5kmほど平坦区間があるのですが、これは一瞬で終わってすぐに本格的な上りになります。ゲートに入ってから山頂までは距離約10km・獲得票高約800mで、平均勾配は8.4%。比較的コンスタントに上って行く系なんですが、安定的に踏まないといけない感じで、難易度は高めだと思います。

ゴール直前の景色がやばすぎ

大半の時間は淡々と上っている感じではあるんですが、山頂が近づいて空が開けてきたあたりで一気に景色が凄まじい感じになります。この区間の「天空感」は数あるヒルクライムコースの中でもトップクラスだと思います。

まず、空をバックに岩木山山頂が。カーブの勾配はキツいですが、興奮して一気に加速。

カーブの先には空、ガードレールの先には日本海が見えます(走行中はうまく撮れなかったので、ゴール後の章で改めて紹介します)。

津軽岩木スカイラインは、理想的なヒルクライムコースだと思います。地力で空まで駆けていく疾走感と高揚感こそヒルクライムの醍醐味、それを強烈に味わわせてくれるのですから。

ゴール後に見える景色もまたやばし

ゴールは、津軽岩木スカイラインの終点。岩木山8合目に当たります。

ここからの景色がまた強烈です。先ほど述べたように、山頂付近のつづら折れの先には日本海が。

津軽半島の西沿岸部がすらっと続いていく様も見ることができます。

強烈な立体感です。

いかに急峻な道をきたのか、そして今どれだけ高いところまできたのかが視覚的にわかってしまいます。

ガードレールの先にまたガードレール。69もの急カーブを超えてきたという満足感。

下山時もこの抜群の景色を楽しめるので、本当に最高でした。

チャレンジヒルクライム岩木山、最強クラスのサイクリングイベントなのはまちがいないと思います。

運営面もGood

サイクリングイベントは運営の手腕が楽しさにけっこう影響しますが、チャレンジヒルクライム岩木山はその点とても快適でした。ここも良かったですね。

受付は送られてきた封筒を見せれば秒で終わり、スタートまでは一緒に参加した友人とゆるく談笑している余裕がありました。下山するまでの時間は十分にとられていて、山頂では思う存分記念写真を撮れました。下山の誘導もそつなく、ストレスフリー。会場付近の温泉の入浴チケットなんかもつきます。記念ボトルをもらえるのも嬉しい限り。

ちなみに、荷物は受付で預けて山頂で受け取ります。この辺りもスムーズでした。

超いいイベントだけど、東北以外からの参加難易度は高め

以下2つの理由から東北以外から参加する際の敷居は高いと思いました。実際、東京からの参加は自分含めわずか10名で、参加者の大半は東北の方でした。

  • 費用がどうしても高くなる:開催地は青森県、東京都内からだと東北新幹線を使って往復35,000円強かかり、移動時間も片道4時間30分程度となります。また、スケジュール上、会場付近での前泊が必須です。参加費(7,000円)に食費等も考えると、50,000円以上かかるかと思います。
  • 快晴を引けるか問題:もうひとつ参加の敷居を上げているのが、開催時期が梅雨入りした6月で、今回のような快晴が期待しにくい点です。申込みは2ヶ月ほど前で、当然天気がどうなるかはまったく予想がつきません。近県の方であればとりあえず申し込んでおいて損はないと思いますが、遠方からだと正直かなりキツいと思います。

一応、東北は梅雨入りが遅く、本州最北端の青森は特にそうで、晴れる可能性は相応にありはするんですが、山の天候そのものが不安定なのもあってギャンブル感はどうしてもあります。その上でこの費用感、というのが最大のネック。

ただ、この記事で紹介したように、賭けに勝ったときは本当に最高です。余裕があるかたはぜひ「チャレンジ」してみてください。

弘前観光も一緒に楽しむのがおすすめ

自分は今回、前泊して弘前を観光しています。チャレンジヒルクライム岩木山に参加するなら盛り込んだほうが満足度は上がると思います。

青森銀行記念館。明治期に設計・建築(重文)

弘前は非常に写真映えする街です。明治〜大正期に建てられた西洋風の建築が多く残っています。

日本聖公会弘前昇天教会教会堂。礼拝堂がふすまを開けた先にあるという不思議な教会。英国国教会系という点も珍しい。

外観はもちろん、中も雰囲気抜群。

弘前中央駅(弘南鉄道大鰐線)なんかはド昭和、たまらないです。

魚と日本酒が最強なので、チャレンジヒルクライム岩木山後にも1泊して堪能してみてもいいでしょう(しこたま飲み食いしました)。

なお、前泊したお宿の朝食はりんご尽くし。

最後になりましたが、今回誘ってくれたイナさん( @ina_419 )と弘前有識者で市内の観光先を紹介してくれたamagamaさん( @ama_gama )、ありがとうございました。お二人もTwitterに綺麗な写真を添えた感想ツイートをされているので、よろしければご覧になってみてください。

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たまに東京を脱出しないとSAN値が保ちません。

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